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2018/09/03事業性評価とは??①

 皆様、こんにちは鶴田会計のMです。

 今日は、ちまたでよく耳にされるであろう、事業性評価(一部、金融検査マニュアル廃止も)について書きたいと思います。

 最近、私事ではありますが、子供と寝ていると、なぜか子供が90度傾いてきて、一晩に私の顔を数回ほど蹴ってくるので、蹴られないために体を縮こめて寝ていたら、寝違えたのか、背中がどうにも痛いため、長くなりそうであれば、タイピングをうちきってシリーズ化させていただきます。

 現在、ざっと下記の流れになっています。

◆過去:定量的な数値や担保に基づく貸出し姿勢
 過去に行われてきた金融機関審査・融資は、財務数値を中心として判断し、高い信用格付けや良好な債務者区分を有する債務者、担保や保証といった保全が十分にある債務者を中心として行われがちでした。

◆問題:金融機関の独自性や創意工夫がない
 上記に基づけば、財務体質が良好でなく、保全もない中小企業は、金融機関から十分な融資を受けることが出来ない、金融機関側も将来性のある企業へ貸し出しを行えずビジネスチャンスを逸しているのでは?という問題がありました。
→ただし、各金融機関も、金融庁の監督方針(金融検査マニュアル)に則って融資を行っていたため、画一的・標準的な対応にならざるを得なかった、という側面があります。

◆課題解決に向けて:新しい監督指針へ
 金融機関の創意工夫を促し、独自性を発揮させ、将来にわたって金融仲介機能の発揮と金融システムの健全性維持を目的として、金融機関が客観的に金融仲介機能の発揮を評価できるための指標として、金融仲介機能のベンチマークが策定されます。(ルールやマニュアルでなく、あくまでツールの位置づけ)

◆対策:『金融検査マニュアル』を廃止、『事業性評価』を重視
 今後は、債務者の事業内容や特性、競争環境、成長可能性といった事業性の評価に力を入れ融資を行うことで、債務者も発展し、金融機関自体も業績拡大に繋がる、という観点から融資の検討ポイントとして、事業性の評価を重視する流れへと移り変わります。

 上記流れを受けてのことだと思いますが、この間、ふと耳にしたことで、最近、金融機関の一部の方は、融資先のお客様に向けて、『お客様の強みはなんでしょうか?』といったことを改めて確認しているようです。
 本来は、金融機関の方も、取引を通じて、日常的・継続的にお客様の経営課題の共有や解決を図っているため、本当にそういうことを今さら聞いているのは一部の方だけだとは思いますが・・・。

 

 数値面や担保面を重視して、融資を行うということが、急に根底から変わることはないでしょうが、少なくとも事業性評価を重視して、融資姿勢を決定していく・金融機関の独自色が出る(同じお客様に対しても、ある金融機関は積極的、ある金融機関は消極的ということが起こる)方向へいくと考えられます。

 それでは、『事業性評価』と呼ばれるもので、金融機関の方は今後、一体何を見て評価をしていくのでしょうか?

【1】現状把握
ここは以前となんら変わらず当たり前のことです。皆様も資料依頼や質問を受けたことのある項目だと思います。

こんな意図を持って先方は質問をしているんです、というのを改めて確認していただければ。

①企業名・・・なぜそんな企業名なのか?理由もなく商号変更を何回もしているような怪しい企業ではないのか?
②所在地・・・企業発展(移転や増設)の歴史は?実質的な所在地と謄本記載の所在地が異なっていないか?
       企業名と同様、理由なく何回も移転していないか?
③経営者・・・特に中堅・中小企業は「人を見て貸せ」で、最も大切なことですので、下記含め、
       本当にこの会社=社長に貸してもいいのか?ということをあらゆる側面で見てきます。

       また、④以降の項目についての質問に対して、きちんと現状把握や課題・対策を持っておられるか、ということも見ているので、きっちろお答えできるような形にしておくことが必要です。

       ―年齢(あと何年程度経営ができそうか?)
       ―後継者は?
       ―経験(年数)(入社前の経歴・転職回数/所属団体・組織/破産等の過去)
       ―経営姿勢(積極・堅実/ワンマン・組織重視/技術・営業/創業・二代目)
       ―社内統制力・管理能力(指導力、経理・労務への関心・理解)
④業種・事業・・・市場規模、価格動向、大手・競合の同行、マーケットシェア、他企業との数値比較
         大口販売・仕入れ先

⑤資本金・・・大小。

       中小企業に該当するか(できることが、保証協会、補助金、税制等大きく変わってきます)

⑥拠点・・・不動産はすべて有効活用されている?賃貸物件(全部!)含めて事業範囲・各物件の役割はどうか?

      当然担保価値・担保提供の有無も確認されます。

⑦沿革・・・・過去の経営判断と結果

       人材や技術の蓄積は?沿革通じた経営者の悪いクセは?

⑧株主・役員構成・・・議決権は?(意思決定権者)安定度は?(特別決議は可能?)

           相続対策必要か?統制の状況は?キーマンは?

           資本金との整合性(他に株主が存在しており、もめる方がいらっしゃるのか)

⑨関係会社・・・組織の効率化は?役員による利得行為はないか?循環取引や利益操作の可能性は?

⑩取引金融機関・・・メインバンクは?各行シェアは?(困ったとき助けてくれる構図か?)

          売上や資本金等に見当った金融機関か、取引規模か?


と書いてきたところで、まだ以前となにも変わらない【1】ですが、文章の羅列で、長く・読んでる皆様がつまらないということもあるでしょうし、背中の筋が痛いので、また次回に続きます。