税務
2026/06/01
【令和8年度税制改正】インボイスの「2割特例」終了へ。新設される「3割特例」と激変緩和の最新ルール
こんにちは、グロースリンク税理士法人です。
私からは令和8年税制改正にあったインボイスに関するお話をしたいと思います。
インボイス制度が始まってから、早いもので数年が経ちました。「免税事業者からインボイス登録をして課税事業者になった」という小規模事業者の皆様の多くは、税負担を売上の2割に抑えられる「2割特例」を活用されているかと思います。
この大変ありがたい2割特例ですが、当初の予定通り2026年(令和8年)9月30日をもって終了となります。
「いよいよ大増税か……」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか?
ですが、「令和8年度税制改正大綱」において、激変緩和のための新たな負担軽減措置(特例の延長・見直し)が盛り込まれました。
今回は、事業者にとって極めて重要なインボイス特例の最新情報について、分かりやすく解説します。
1. 売り手(個人事業主)の救済策:新たに「3割特例」がスタート!
2割特例は終わってしまいますが、それに代わるセーフティネットとして、新たに「3割特例」が創設されることになりました。
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内容: 消費税の納付税額を、売上にかかる消費税額の「3割」に抑えることができます。
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対象: 個人事業者限定(※残念ながら法人は対象外です)
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期間: 2027年(令和9年)分および2028年(令和10年)分の2年間
💡 実務上のメリット
「簡易課税制度」のように、事前に税務署へ届出書を出す必要はありません。確定申告の際に、申告書に特例を使う旨を記載するだけで適用できます。
法人は対象外となってしまうため注意が必要ですが、個人事業主の方であれば、2割特例が終わった後もいきなり大増税になるのを防ぐことができます。
2. 買い手(経費を支払う側)の救済策:免税事業者からの仕入れ「70%控除」へ緩和
インボイスを持っていない免税事業者から仕入れ(外注費や経費の支払い)がある企業側にも、嬉しい見直しが入りました。
当初の予定では、2026年10月以降は「50%しか経費の消費税を控除できない(=買い手側の税負担が増える)」はずでしたが、これが「70%控除」に緩和され、期間も延長されました。
新しいスケジュールは以下の通りです。
| 対象期間 | 改正前(当初の予定) | ✨ 改正後(新ルール) |
| 〜 2026年9月30日 | 80%控除 | 80%控除(据え置き) |
| 2026年10月1日 〜 2028年9月30日 | 50%に激減… | ⭐️ 70%控除(負担緩和!) |
| 2028年10月1日 〜 2030年9月30日 | 50%控除 | ⭐️ 50%控除(期間延長) |
| 2030年10月1日 〜 2031年9月30日 | 0%(完全に控除不可) | ⭐️ 30%控除(新設) |
※なお、大企業による制度の濫用を防ぐため、「1つの免税事業者からの仕入れ額が年間1億円を超える場合、その超えた部分は対象外」というルール(年間1億円ルール)が新たに追加されています。
3. 出し忘れを防ぐ!「簡易課税」の届出期限も優しく変更
2割特例や3割特例が終わった後は、多くの事業者が「簡易課税制度」への移行を検討することになります。
これまでは「前年(前の事業年度)の末日まで」に届出書を出さなければ簡易課税を選べませんでしたが、今回の改正で「特例が終わった年の、翌年の確定申告期限まで」に提出すれば間に合うよう、期限が大幅に緩和されました。
「うっかり出し忘れていて、大増税になってしまった」という悲劇を防ぐための、優しい救済措置です。
4. まとめ:猶予が伸びた「今のうち」に次のシミュレーションを!
今回の税制改正は、インボイスによる事業者の負担を国が少し先延ばしにしてくれた、いわば「時間稼ぎのチャンス」です。
しかし、特例はあくまで期限付きのものです。 特に法人の皆様は2割特例終了後の影響をダイレクトに受けますし、個人事業主の方も「3割特例」と「簡易課税」のどちらが本当に得なのかは、業種や経費のバランスによって全く異なります。
「うちの会社は、2割特例が終わったら税金がいくら増える?」 「次の確定申告に向けて、今から何を準備すればいい?」
そんな不安をお持ちの経営者様は、ぜひ一度ご相談ください。 貴社の試算表をもとに、「どの課税方法を選ぶのが最も手元にお金が残るか」を具体的にシミュレーションし、最適な着地点をご提案いたします。













