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税務

2026/10/05

中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

取引先の突然の倒産…それは、どんなに経営が順調な企業にとっても他人事ではないリスクです。
こうした「もしも」に備える公的な制度が、中小企業倒産防止共済(通称:経営セーフティ共済)です。
取引先が倒産した際に無担保・無保証人で共済金の貸付けを受けられるだけでなく、掛金を法人なら損金、個人事業主なら必要経費に算入できるという税務上のメリットも大きく、多くの中小企業や個人事業主に活用されています。

一方で、「実際にどんな仕組みなのか」「掛金や解約手当金の会計処理・勘定科目はどうすればよいのか」といった点で悩む経営者や経理担当者も少なくありません。

本記事では、中小企業倒産防止共済の制度概要から加入条件、掛金の設定、共済金の借入れ、解約時の取扱い、そして仕訳・勘定科目まで、実務に役立つポイントを徹底的に解説していきます。

中小企業倒産防止共済とは?

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)とは、簡単に言えば取引先が倒産したときに、連鎖で自社が倒産することを防ぐための共済制度のことです。
中小機構(中小企業基盤整備機構)が運営する公的な制度で、数多くある中小企業を守るためのセーフティネットの役割を持つ制度であり、万が一の備えとなります。
ここでは、中小企業倒産防止共済に加入する条件やその仕組みについて、さらに分かりやすく紹介します。

 

加入条件と仕組みをわかりやすく紹介

中小企業倒産防止共済は自社と取引している企業が倒産した際に、連鎖倒産したり経営が困難になることを防止する制度です。
担保と保証人を用意する必要はなく、掛金の10倍(最高8,000万円)まで借入れることができ、自社の損失を抑えられます。
そのため、取引先の倒産における売掛金の回収が困難な「もしも」の事態に直面した際には、こちらの活用が大きな助けとなります。

中小企業倒産防止共済に加入をするための条件は、個人事業主と法人によって異なります。
個人事業主の場合は1年以上事業を継続していることが求められ、常時使用している従業員数が要件を満たしている必要があります。
さらに、確定申告をしており、個人で独立経営をしている方が条件です。
一方、法人に関しては会社法に定められた会社であること、1年以上事業を継続している中小企業である必要があります。
資本金または使用する従業員の数が要件を満たしていることが条件です。

 

加入すると得られるメリット

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

大企業と違い、中小企業は取引先次第で経営困難に陥ることもあり、その助けになるのが中小企業倒産防止共済です。
そのため、こちらに加入するといくつかのメリットが得られます。

 

掛金を必要経費にできる節税効果

納付された掛金を必要経費として扱えるため、節税の効果も期待できます。
個人事業主では事業所得の必要経費になり、法人の場合は損金の額へ算入ができます。
また、個人事業主は租税特別措置法が適用され、納付された掛金は支払いをした年(1~12月)の必要経費へ算入できます。
法人も租税特別措置法により、事業年度の損金への算入が可能です。

 

取引先の倒産に対応できる貸付制度

取引先が倒産すると売掛金債権の回収が困難になりますが、その際は資金を借入れることができます。
共済金貸付額の上限は、回収が困難となった売掛金債権等の額、または納付された掛金総額の10倍(最高8,000万円)の少ない方の金額が適用されます。

 

2024年10月の税制改正 により変わったことと注意点

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

中小企業倒産防止共済は、2024年10月から税制が改正され解約・再加入の繰り返しによる節税を防ぐための規制が強化されています。
細かく見ていきましょう。

 

解約後2年間は掛金の必要経費算入が不可に

最大の改正点として、解約後2年間は掛金を経費にできないようになりました。
改正前は一度解約して解約手当金を受け取り、またすぐに加入をして掛金を支払うことができました。
しかし、令和6年10月1日以降に解約して再加入した場合、解約の日から2年を経過する日までに支出する掛金が必要経費・損金に算入できなくなりました。

 

節税目的の利用が難しくなった

上記の2年間は掛金を必要経費に算入できなくなったことで、節税目的の利用が難しくなりました。
解約と再加入を繰り返すことで、短期間で節税するという裏技的な行為はできなくなったということです。
本来の倒産への備えという目的から逸脱した行為をしにくくなりました。

 

解約手当金はいくら戻るのか?

解約手当金は、それまでに支払ってきた掛金総額×支給率によって決まります。
納付した月数によって割合は決まり、11ヶ月までは0%ですが40ヶ月以上になると100%戻ります。
支給率は改正前と変わらず、あくまで解約後の再加入時の掛金の税務の扱いだけが変更になったのみです。

 

前納と掛金を変更する際に知っておきたいこと

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

前納と掛金を変更する際は、資金や決算などに関わることから手続きなどについて事前に知っておく必要があります。

 

前納の仕組みと掛金前納申出書の提出について

前納とはこれから払う掛け金を、まとめて先に支払うことを言います。
1年分をまとめて払うと月々の掛金に充当され、終了すると再度前納しない限り月々の支払いに戻ります。
前納をする際は、希望月の5日までに掛金前納申出書を提出する必要があります。
5日(土日を挟んだ際は翌営業日)までに中小機構に届くように余裕をもって提出しましょう。

 

掛金月額変更申込書で掛金の変更を行う

掛金を変更するために提出する書類を掛金月額変更申込書と言います。
月額の掛金は5,000円~20万円の範囲内で5,000円単位で設定が可能です。

また、増額は比較的自由に行えますが、減額する際の理由は経済産業省令で定められており、以下の3つです。
①事業規模の縮小
②事業経営の著しい悪化・病気やけが・急な費用の支出など
③貸付残高と掛金総額の10倍の合計が8,000万円に達した場合

 

中小企業倒産防止共済の処理と勘定科目の確認

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

中小企業倒産防止共済に加入した際に、掛金は決算や帳簿などでどのように処理をすればいいのでしょうか。
こちらでは勘定科目についても詳しくご紹介します。

 

掛金の処理に関する勘定科目

中小企業倒産防止共済の掛金は法人の経費として処理できます。
勘定科目とは、お金の動きを分類して分かりやすくするための項目のことを指します。
中小企業倒産防止共済の掛金は、「保険料」「諸会費」「福利厚生費」「その他費用」など、いくつもの項目に分かれており、それを勘定科目と呼んでいます。

一般的な会計処理として、掛金を支払った際に費用として計上すると「保険料」、資産として計上すると「保険積立金」として記帳されます。
この「保険料」は満期保険金のない生命保険や損害保険で保険料を支払う際の勘定科目にあたります。
保険の期間1年以下に適用され、それ以上になると「前払費用」になります。
もう一方の「保険積立金」は会社が加入している生命保険や損害保険に支払う保険料の中で、満期になった際に受け取る満期返戻金を計上する際の勘定科目です。

 

解約手当金を受け取る際の税務上の取り扱いとは?

中小企業倒産防止共済を解約すると、それまでに積み立ててきた掛金に応じた解約手当金を受け取れます。
個人事業主については、掛金が事業所得の経費として算入していたときは事業所得の収入となり、法人に関しては損金に算入していると収益(益金)として処理されます。

 

中小企業倒産防止共済に加入する前に確認したいポイント

画像:中小企業倒産防止共済について!制度や勘定科目含め徹底解説

中小企業にとって中小企業倒産防止共済は非常に魅力のある制度です。
しかし、メリットばかりの話を聞かされて、実際に自社にとって必要なものなのか疑問に感じることもあるでしょう。
一度加入をしたら簡単には解約をすることは難しいため、加入前に確認しておくことがあります。
ここでは、中小企業倒産防止共済に加入をする前に確認しておきたいポイントについて紹介します。

 

利益が出てきたときの節税対策について

起業をして利益が出てきたとき、税負担について頭をよぎり中小企業倒産防止共済に加入をして節税対策をしようと考える方は少なくありません。
個人事業主の場合は、中小企業倒産防止共済の掛金の全額を経費として計上できます。
所得税額の高いときは掛金を多くすると必要経費に計上することができ、結果として節税につながります。

また、法人の場合は利益が出て黒字になったときに掛金を損金算入すると、法人税の節税が可能となるため、赤字経営になったときは解約手当金を受け取ることで負担する税金を抑えることができ、損失が出て支出が増える際には資金へと回すこともできるでしょう。

以上のように節税のメリットは非常に大きいですが、単に節税商品として考えるのではなく、本来の目的である取引先の倒産から起きる連鎖倒産を防ぐための制度だと理解をしたうえで加入する必要があります。

 

事前に解約も見据えておくこと

中小企業倒産防止共済に加入するときは、必ず解約についても考えておく必要があります。
将来どんなことが起き、なぜ解約をすることになるのか、と解約する際の出来事をシミュレーションしておくといいでしょう。

解約するときには、会社によって様々な理由が発生していると思われます。
実際に中小企業倒産防止共済の解約には「任意解約」「みなし解約」「機構解約」という項目が存在します。
「任意解約」はその名称にある通り、共済の契約者である個人事業主または法人が任意に行う解約のことです。
「みなし解約」は契約者の死亡や会社の解散、分割(承継が条件)、事業の譲渡が行われた際に、共済を解約したとみなされることになります。
ただ、共済の契約も承継されると解約はされませんので、この点については注意が必要です。
そして「機構解約」は、契約者が12ヶ月以上掛金を滞納した場合に発動される解約です。
中小企業倒産防止共済は解約すると解約手当金が支払われますが、解約の種類によって支給率は変わります。

また、全ての解約において11ヶ月までに解約した場合は0%ですが、それ以上になると支給率が変化します。
例として、12~23ヶ月掛金を払った際の「任意解約」の場合は80%、「みなし解約」の場合は85%、「機構解約」の場合は75%と、解約事由によって%が異なりますので注意が必要です。
さらに解約手当金を受け取ると、税務上の処理も発生します。
将来、解約をしたときの税負担についても確認しておくことが大切です。

 

貸付制度を利用した際の資金繰り

中小企業倒産防止共済は、取引先の倒産によって回収が困難になった債権などに充当する借入れが行える制度です。
資金繰りの悪化を止めて、連鎖倒産を防ぐため借入れが受けられます。
よく勘違いされるのですが、この制度は給付金ではなく、あくまで貸付けです。
そのため貸付制度として考えを巡らせる必要があります。
無限に借りられるわけではなく、貸付制度を利用するには様々な審査が行われることになり、状態によっては貸付けを断られることもあります。
借入れた資金は返済義務が生じますが、毎月の返済で資金繰りに影響が出ることがありますので、自社の資金について細かく確認をしておきましょう。
仮に取引先が夜逃げなどをすると倒産に該当しないため貸付制度の対象とならず、共済の助けを借りることは困難になります。

 

申込書や必要書類の確認と疑問に関する問い合わせ

いざ中小企業倒産防止共済に加入をしようと思っても、どんな書類を用意すればいいのか分からない、書き方が難しいなど様々な問題を抱えることもあるでしょう。

中小企業倒産防止共済の加入では、オンラインで申込書などをダウンロードしたり、取り寄せることが可能です。
ですが、各書類については入手方法が異なり、別々に確認しなければなりません。
制度の利用及び必要書類の添付など、やるべきこと、揃えるものも非常に多くなるので一度申込書を提出するだけでは終わらない可能性もありますので、制度の管轄である中小機構へ問い合わせながら一つ一つ処理をする必要があるでしょう。

また、中小企業倒産防止共済に加入するときは、委託機関へ任せた方が安心です。
必要書類だけでなく、申込書の作成方法、各疑問の解消なども行ってもらえます。
書類の作成はあくまで入り口でしかありませんし、加入が目的であれば専門家である会計事務所に相談、依頼をすることをおすすめします。

 

中小企業倒産防止共済の相談はグロースリンクへ

中小企業倒産防止共済の相談はグロースリンクへ

中小企業倒産防止共済に関するご相談は、グロースリンクにお任せください。
グロースリンクグループは、グロースリンク税理士法人を中心とした総合的な経営支援のグループです。
税務や会計はもとより、行政書士や司法書士、社会保険労務士など様々な経営に関する支援を提供しています。
税理士に税金に関する対応を相談するだけでなく、経営に関する様々な問題点や課題を専門の分野が連携をしながら支援させていただきます。

中小機構(中小企業基盤整備機構)が運営する中小企業倒産防止共済は、中小企業のセーフティネットとして非常に重要な制度ではありますが、公的な制度のため内容だけでなく加入が複雑で分かりにくい部分があります。
加入を検討している方々の心配事に即座に対応し、掛金の設定から税務や節税、解約についてまで親身に相談できる専門的なグループとして、グロースリンクは力になります。

中小企業倒産防止共済の加入に迷っている方、申込書や必要書類を揃えることに悩んでいる方、様々な疑問を感じている方も、グロースリンクへご相談いただければ対応いたします。
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グロースリンク税理士法人代表 鶴田幸久

監修者:鶴田 幸久 グロースリンクグループ 代表 / 税理士

専門は法人税務、事業承継、および経営改善支援。 グロースリンク税理士法人をはじめ、グロースリンクグループの代表として、中小企業の税務申告から事業承継、スタートアップ支援まで幅広く手掛ける。「経営者の第一の相談相手」として、財務基盤の強化や経営計画策定などの伴走型支援に尽力。 行政・地域企業との連携や経営者向けセミナーの講師、Webメディアでの執筆・監修活動を通じて、実務に役立つ税務・経営情報の普及に精力的に取り組んでいる。

  • 専門分野:法人税務 / 事業承継 / 経営改善支援 / 相続対策

  • 著書【共著】:行列のできる歯科医院 5(デンタルダイヤモンド社)

 

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